![ドラマ「二月の勝者ー絶対合格の教室ー」で中学受験を知ろう!](https://www.stacky.jp/wp-content/uploads/2021/10/thumbnail_drama2gt03-1024x605.png)
みなさん、こんにちは!スタッキーです。
2021年10月時点で累計発行部数200万部を突破したマンガ「二月の勝者」はご存知ですか?
もはや、受験界隈では知らないと話についていけないレベルの知名度を誇るこの作品。
ドラマは1年3ヶ月の放送延期となっていましたが、10月16日ついにテレビに登場しました!
パチパチパチーっ!
![スタッキー](https://www.stacky.jp/wp-content/uploads/2021/05/aicon03-300x300.png)
この記事は次のような人におすすめ!
・はじめての中学受験で不安がいっぱいである
・たしなみとして「二月の勝者」について知っておきたい
・子どもの視点で中学受験を見つめ直してみたい
・中学受験のトラブルをぜひ回避したい
中学受験を考えている方は一度見てみる価値があると思います!
それではどうぞ!
※当ブログでは商品・サービスのリンク先にプロモーションを含みます。ご了承ください。
中学受験を要約して解説してほしい
学習塾や自宅の状況を知りたい
中学受験について調べていると合格実績・偏差値・クラスなどのデータに目が行きがちです。
実際にそれらのデータは統計的に見てある程度の信ぴょう性を持っていると思います。
しかし、実際に子どもが置かれる状況やその時の精神状態はデータでは読み取れません。
また、すでに中学受験に取り組んでいても他の子どもの状況は知ることはできないのです。
だから、自分たちが行おうとしていることやすでに行っていることに不安がつきまといます。
わたしの場合は受験をまともにしていないので、自信の経験も圧倒的に不足する始末です。
6年生で起こることを経験したい
中学受験の中でも6年生で経験することはそれまでの期間とは全く違うように思います。
学年があがると塾の生徒数も増えますし、その中には急に成長してくるライバルもいます。
そんな中で、スコアへのプレッシャーや試験が近づいてくる緊張感もあるでしょう。
わたしは、入試直前期に急にその状況に置かれて、親としてまともな判断ができるか不安です。
だから、志望校の決定や入試までの過ごし方は、臨場感のある形で一度経験したいのです。
そんな時に出会ったのが「二月の勝者」、マンガとドラマでバーチャル経験をふやします!
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ドラマを視聴して学んだこと<ネタバレ注意>
第1話:サッカー少年 三浦佑星の回 (2021年10月16日放送)
![ドラマ「二月の勝者ー絶対合格の教室ー」で中学受験を知ろう!](https://www.stacky.jp/wp-content/uploads/2021/10/drama_2gatu_1.png)
中学受験塾の桜花ゼミナール吉祥寺校に新校長として黒木がやってきた。
黒木は、入塾説明会でネットに寄せられた中学受験の失敗談を親たちに紹介する。
そして、「中学受験は甘くない。覚悟が決まらないなら去ってください」という。
中学受験の現実を突きつけられた親たちは不安がる。
しかし、合格実績No.1塾のルトワックの人気No.1講師であったと知り目の色を変えた。
そして黒木は、「全員を第一志望校に合格させる」と断言したのである。
同じ時期に元中学校教師の佐倉麻衣が桜花ゼミナールの新人講師として就任する。
突然現れた黒木に桜花ゼミナールの講師たちは戸惑っていた。
なぜ、ルトワックの人気No1講師がウチに?
黒木は、講師たちに「合格に最も必要なのは、父親の経済力と母親の狂気だ」と述べた。
佐倉は、黒木の発する言葉におどろかされる。
塾はサービス業、親はスポンサー、鴨がネギを背負ってやってくる、父親はATMなど。
子どもや親の気持ちを大切にしたい佐倉に対して、黒木は言い放つ。
あなたは何もかも間違っている。ここは子供の将来を売る場所です。
われわれの仕事は教育者ではなく、サービス業です。
学校の真似事がしたいなら学校に戻ったらいかがですか。
佐倉は、ここ桜花ゼミナールは自分の居場所ではないと思っていた。
しかし、なぜかここで何か変われるような気もしていた。
そして黒木の手腕を認めつつもムカついていた。
今回の見どころ:三浦佑星の父親を黒木が説得するシーン
サッカーを続けさせたいから入塾をやめさせたいという三浦家の父がやってくる。
実際にプロの可能性があるのかと三浦佑星とリフティング対決をして黒木が勝つ。
お宅の息子は平凡だ、凡人こそ受験すべきだと。難関校に合格する可能性はある。
サッカー選手よりも中学受験の方が成功確率が高いということを突きつけ説得する。
父親は中学受験をさせたほうがいいのかもと考え直し、息子の入塾を決める。
入塾した三浦佑星は、サッカーは、受験した後にまた頑張るといった。
佐倉は、よく受験を決意したね。と三浦佑星をほめた。
三浦佑星は、入塾体験中に黒木に答案を褒められたことがすごく嬉しかったといった。
黒木は、三浦佑星の答案を見て、このように言った。
「この答案は解こうと粘ったのがよくわかる答案です。
スポーツか何か長い期間取り組んできたものがあるのでしょう。
粘って頑張った経験のある人は受験でも強いですよ。」
佐倉は、黒木が三浦佑星のことをしっかり見ていたことに気付かされたのだった。
ドラマ「二月の勝者-絶対合格の教室-」は日本テレビで放送されているドラマです。
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第2話:鉄道大好き 加藤匠の回 (2021年10月23日放送)
![ドラマ「二月の勝者ー絶対合格の教室ー」で中学受験を知ろう!](https://www.stacky.jp/wp-content/uploads/2021/10/drama_2gatu_2.png)
桜花ゼミナール最上位Ωクラスの前田花恋は、偏差値66で女子トップの成績である。
彼女は、桜花ゼミナールでの塾生活に不満を抱きはじめていた。
授業後の質問は、1回につき1人1問で他の質問をする場合並び直さないといけない。
たくさん質問して勉強を進めたい前田花恋はとてもイライラしていた。
一方、一番下のRクラスを担当する佐倉に黒木は忠告した。
Rクラスはお客さんですから、一生懸命にならないでください。
楽しく勉強させてくれればそれでいいですから。
佐倉は同じ授業料を払っているのにそれはおかしいと思っていた。
そして、Rクラスでいつも外ばかりみている加藤匠を気にかけ始める。
勉強でつまづいた経験がある佐倉はマンツーマンで加藤匠に勉強を教えはじめた。
マンツーマンの授業の中で佐倉は加藤匠が鉄道好きであることを知る。
そんなマンツーマンの現場を前田花恋が目撃し激怒する。
なにあれ!こっちはいつも質問の順番待ちで並んでるのに!
ある日、加藤匠が塾を無断で欠席した。
心配しているところに前田花恋がきて佐倉にいう。
佐倉先生おかしくないですか。マンツーマンで授業を教えるなんてひいきだよ絶対!
だからさっき塾の途中で会った加藤にいってやったんだ。
意味あるの?落ちこぼれにマンツーマン授業なんて。落ちこぼれ。ダッサー。
そんな時、黒木の元へ加藤匠の母から連絡がはいる。
息子は塾に向かったが授業を受けずに帰ってきたという。
そして、塾を辞めたいということだった。
黒木は佐倉にRクラスの生徒に一生懸命になるなと言ったはずだと注意した。
反論する佐倉との会話の中で黒木は加藤匠が電車が好きだということを知る。
このことを知った黒木は、講師たちに資料や情報を集めるよう指示を出す。
そして加藤匠の両親を説得する準備を整え、両親との面談を迎える。
面談後、佐倉は、改めて黒木から注意を受ける。
勉強が楽しくなければ中学受験は成功しません。
あなたは、子どもたちに勉強の苦しさばかり教えていたのではないですか。
わたしは、誰ひとりとしてできない子だと思ったことはありません。
あなたたちは、子どもを切り捨てることができないと言いながら、本心は無理だと思っている。
違いますか。
この黒木の言葉を受けて佐倉は反省する。
できない子と決めつけて、勉強の苦しさばかり教えていたのではないかと。
後日、前田花恋が母親とルトワックへ入っていくところを桜花の講師が目撃する。
これは転塾ではないかと桜花ゼミナールの講師たちがザワついた。
今回の見どころ:受験をやめたいという加藤匠の両親を説得するシーン
加藤匠の両親は、息子の苦しむ姿はみたくない。息子は受験に向いていない。
親のエゴで受験をさせて無理させるのはかわいそうなので受験を辞めたいと言った。
自分の時間が欲しい。動画がみたい。とつぶやく加藤匠に黒木は鉄道の動画を見せる。
見たい動画とはこれですか?と。嬉しそうに鉄道の動画をみる加藤匠に両親は戸惑う。
そして、動画内の鉄道ジオラマを作成しているのが中学生だと知ると加藤一家は驚く。
黒木の指示で佐倉は鉄道研究部のある中学校のパンフレットを机に並べる。
嬉しそうに学校案内を見ながら鉄道研究部のある中学校へ行きたいと加藤匠が言う。
しかし、どの学校も偏差値60以上の難関校だった。父親が黒木に残念そうにいう。
匠の偏差値は40台です。とてもじゃないがこんな学校は息子には無理です。。
しかし黒木は、加藤匠の過去のテストの答案用紙を見せながらいった。
社会は点数だけを見ると低いが、地理分野は8割正答していること、算数も旅人算や速さの問題は点数が取れているなど、加藤匠の強みを説明した。
そして、息子が受験に向いていないと思っている両親に向かって、こう言った。
匠さんが受験に向いていないというのは、
皆さんの不安が作り出した幻想、単なる誤解に過ぎません。
匠さんは決してできない子じゃない。できることがこんなにあるんです。
今はまだ合格には程遠いが全力でサポートすると言い、両親の説得に成功した。
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第3話:負けず嫌いの女王 前田花恋の回 (2021年10月30日放送)
![ドラマ「二月の勝者:ー絶対合格の教室ー」で中学受験を知ろう!](https://www.stacky.jp/wp-content/uploads/2021/10/drama_2gatu_03-1024x409.png)
桜花ゼミナールトップの前田花恋は、母親と一緒にルトワックの説明を受けていた。
一方、桜花ゼミナールでは講師たちが前田花恋の転塾を止めたいと考えていた。
しかし、黒木は、何もしなくていいです。放っておきましょう。といった。
桜花の講師たちは、優秀な生徒が合格実績ポイントを稼いでくれないと困るのだった。
合格実績ポイントが彼らの給料に影響し、死活問題となるため焦っていた。
前田花恋は、ルトワックの最上位S1クラス授業を見学し、感動していた。
日本一のルトワックで1番になるんだといい、夜遅くまで勉強するようになる。
そんな前田花恋をみて、母親は心配しながらも娘の意思を尊重しサポートを続けた。
ルトワックの体験授業が始まる。前田花恋はS1ではなくS3クラススタートであった。
S3クラスでも自分よりも遥かに早く問題を解く生徒ばかりで実力差を痛感する。
そして、クラスのテストでビリの点数をとってしまいショックを受ける。
うそでしょ。わたしがビリって。。
もっと勉強しないとダメだ、とさらに遅くまで勉強するようになった。
前田花恋の母親が桜花に訪ねてきた。佐倉が面談に対応した。
母親によると、ルトワックの体験授業を受けており、桜花を休んでいると言った。
会話の中で佐倉は、前田花恋は学校で先生や生徒とうまくいっていないことを知る。
しかし、桜花ゼミナールで友人がたくさんできて、楽しく通っていた。
なのにルトワックへ行きたいと言い出したのは、母親も驚いたとのことだった。
ルトワックの体験授業後、どうするかは娘に決めさせたいと母親はいい面談は終了した。
後日佐倉は、通勤中に前田花恋が学校に行かず公園のブランコに座っているのを見つける。
黒木に何もするなと言われた言葉を思い出すが、放っておけず声をかける。
そこで、前田花恋の足にペンで引っ掻いた傷跡を見つける。
佐倉は、黒木に前田花恋に会ったこと足に自傷行為の傷があったことを報告した。
黒木は、そろそろですね。といった。
そして、黒木は佐倉や講師たちの知らないうちに前田花恋の説得に成功する。
前田花恋をどうやって説得したのか佐倉は黒木にたずねる。
わたしは何も説得していません。いちばん元気に泳げる池を教えてあげたまでです。
競争心をあおり、子どもたちを追い込むルトワックのやり方は彼女には合わない。
褒めて伸ばす桜花ゼミナールの方が彼女には合っている。
ならば、なぜすぐにとめなかったのかと佐倉は聞くと、黒木は答えた。
彼女のように頭がよく、自尊心の強いタイプはやらせてみないと納得しないからです。
そして彼女の母親のように子どもの意思を尊重するのは、受験生の親として理想です。
ただし、相手は6年生の子どもです。失敗やまちがいを起こします。
そして、その子が欲しいものと、必要なものは必ずしも一致しない
大人たちがその経験から子どもが育つ環境をみまがえず提供しないといけない。
そういうと黒木は、佐倉にタイミングを知らせてくれたことに感謝した。
タイミングとは、前田花恋がダメになる限界のタイミングと知った佐倉は呆れた。
黒木は、彼女を第一志望校に合格させるのが私の仕事だと言った。
今回の見どころ:黒木が前田花恋に彼女の居場所を提供するシーン
とぼとぼと帰宅途中の元気のない前田花恋に黒木が声をかける。
黒木は甘酒を渡し、ものすごく顔色悪いことを伝えた。
全然平気。なんともないし。と前田花恋は強がっていった。
黒木は、今から飛ばしていると2月までもたないよ。といった。
前田花恋は、イライラしながら言う。
自分が頑張りたくてやっていることなのに、なんで止められないといけないの。
黒木は、そんな前田花恋に同情するように、
勉強ができる子はなんでほめてもらえないんだろうね。
リレーの選手に選ばれたらほめてもらえる。
合唱コンクールでピアノを弾けばクラスのヒーローになれる。
クラスで一番勉強できる子もほめてくれればいいのにね。私をほめてって思うよね。
ルトワックはどう?あそこは優秀な生徒だけが優遇されて生き残っていく。
黒木の話を聞きながら、前田花恋はルトワックでビリになったことなどを思い出す。
学校でうまくいっていないことや、ルトワックでの辛い日々を思い出し涙があふれた。
黒木は、涙を流す前田花恋にティシュを渡しながら言った。
花恋にはトップが似合ってる。その他大勢の中なんて花恋の居場所じゃない。
花恋は女王になれるところでしか輝けない。花恋は女王様だ。
少なくとも僕や桜花にとっては。花恋の席まだ空けてまっているよ。
この言葉によって前田花恋は再び桜花ゼミナールに戻ることになった。
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第4話:中学受験は課金ゲーム 武田勇人の回 (2021年11月6日放送)
![](https://www.stacky.jp/wp-content/uploads/2021/11/drama_2gatu_041-1024x410.png)
桜花ゼミナールの講師室では、統一合格判定テストについて話し合われていた。
ゴールデンウィーク(GW)明けに行われるテストで6年生には重要な模試となる。
そのため、桜花ではゴールデンウィーク(GW)に特別講習が行われる。
この特別講習を全員に受講させることはノルマだと黒木は講師たちにいった。
佐倉の担当するRクラスは3名がまだ申し込みをしていなかった。
黒木は、Rクラスは必ず全員受講させるように強く念を押した。
特別講習は任意受講なのにノルマと言われたことに佐倉は疑問を抱いていた。
そして、5日間で5万円もする特別講習を申し込ませることに後ろ向きな態度を示した。
隣にいた同僚の国語教師の桂は、特別講習の費用が高いと言う佐倉に説明した。
甘いよ!佐倉先生。
GW特別講習53,000円、夏期講習182,000円、夏合宿105,000円、冬期講習77,000円、お正月特訓45,000円。
さらに、日曜特訓、志望校別特訓、弱点克服特訓、直前特訓、外部模試受験料もある。
これに、通常の月額授業料45,000円を合わせると、かかる費用は年間132万円!
これを中学受験にかかるお金と考えるか子供の将来のためのお金と考えるか。
家庭それぞれであはあるけれど、そんなイノセントな心では塾講師は務まらないわよ!
佐倉は、桂の説明に面食らっていた。
Rクラスのテストの採点をしていた佐倉は、あまりの点数の低さにため息をつく。
そこに黒木が現れ、採点されたテストを手にとり、言った。
嘆かわしいですね。Rクラスは全体の底上げが必要ですね。
そして、黒木は、受験の合否を分けるのは算数だといい、佐倉にこう指示した。
基本問題で結構ですので、算数の宿題を大量に出してください。
Rクラスはカリキュラムを無視し、統一合格判定テストの過去問5年分やってください。
過去のデータがありますので、採点後すぐに偏差値を出してください。
Rクラスの武田勇人の母親は、佐倉からGW特別講習の受講の勧誘を受けた。
志望校との偏差値との差がある現状から、特別講習を受けさせたいと考えていた。
夫に特別講習について相談するが、スマホゲームにばかりに熱中している。
やっと聞く気になったものの、特別講習費の金額の高さや種類について驚愕する。
月謝以上の金額かかるとは聞いていないと言い、夫婦で意見が食い違っていた。
Rクラスの特別講習の申し込み状況は、武田勇人だけが申し込んでいない状況だった。
夫婦の意見が合わず申し込みができないこと知った黒木は佐倉に言った。
明日にでも両親と面談し、特別講習の意義を説明し説得してください。と。
しかし、面談当日に父親が来られないことを伝えると、黒木は佐倉に詰め寄った。
父親なしで、どうやって説得するつもりですか。
佐倉も反論する。家庭にはそれぞれ事情があるのではないでしょうか。
黒木は、佐倉先生はもう結構です。桂先生、代わりに面談をお願いできますか。
武田夫妻の地雷を踏んで爆発させてください。といった。
これを聞いた桂は、目がときめいていた。佐倉は横でぽかんとしていた。
Rクラスの過去問テストの回答状況を改めてチェックした黒木は佐倉に言った。
問題の後半は解く必要ありません。問題文も見る必要もありません。
最初から半分、盛大にドブに捨てるさせるだけです。
そもそも、2-3割しか点数が取れてないなら、後半を解く資格がないと言ってもいい。
そんなことしては、子供たちを傷つけるだけだと佐倉はいった。
いま彼らに必要なのは、点数をかせぎ、偏差値をあげることです。と冷静に黒木はいった。
そして不満げな佐倉の顔を見て言った。ご不満のようですね。
ではもう結構です。Rクラスの算数は明日から私がやります。
佐倉は戦力外通告を受けたのだった。
黒木は、Rクラスの生徒に半分の問題で統一合格判定テストの過去問を受けさせた。
佐倉が採点してみると、10点以上スコアアップし、偏差値も5ほどアップしていた。
この現象について、黒木は説明した。
点数が上がったのは自分が解ける問題を見極める時間という焦りを取り除いたからです。
焦りが減れば、ケアレスミスもなくなり、点数が取れるようになる。
ただし、この方法は本番の入試では使えません。
今回この方法を用いたのは、自信と得点欲を実感してもらうためです。
点数が取れて偏差値があがったという事実。
これは、受験生にとってどんなご褒美よりも嬉しく原動力となるものはありません。
スコアアップした答案を返された生徒たちは嬉しそうに帰っていった。
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今回の見どころ:武田勇人の母親が夫にブチギレするシーン
桂と佐倉は、武田勇人の母親と面談を実施した。
桂は、武田家の状況を察して父親が息子にゲームを通じて取り入って仲良くしている様子や、母親がひとりで勉強するよう声かけしている様子など、家の中の状況を再現してみせた。
ウチを見たんですか?!と武田勇人の母は驚き、自分の本音をぶちまけた。
桂は、子どもの将来を心配する母親に、わかりますと同情しながらも言った。
ご夫婦の意見が一致していないと中学受験は失敗しますよ。
そして、不合格になってしまったら父親の思うツボだと注意し、強く言った。
お母様!ここでご主人に負けてはいけません!なんとしても説得するんです。
勇人くんの合格、そして一生がかかっているんですから!
武田勇人の母親は、わかりました!といい、桂に勇気づけられて帰って行った。
面談後、佐倉は、あんなふうに焚き付けてよかったのかなと言った。
桂は大きな声で、ああいうタイプの夫婦はね、いっぺんぶっ壊れた方がいいのよ!
講師室が、固まった。
武田勇人の母親は、息子のために講習費を稼ぎ出すため、残業するようになった。
そんな妻の状況をみた夫は、こういった。
毎月の月謝を払ってる手前、引くに引けなくなった時に講習の勧誘受けるとかバカ親相手のいい詐欺だぜ、お前はいいカモなんだよ。資本主義の奴隷だな。
そして、スマホゲームを開きながら、これじゃリアル課金ゲームみたいだな。といった。
これを聞いた妻は、スマホゲームの課金額を塾に回せないのかと詰め寄った。
すると、夫は自分の小遣いでやってるんだから自由にさせろといいながら、続けて言った。
大体、お前勇人に中学受験が成功する見込みがあると思ってんの?
この言葉を聞き、妻の中で何かのスイッチが入る。
あなたのゲームのキャラクターは見込みがあるのでしょうねぇ。
はじめは無料で、どんどん課金して、いいカモね。。といいスマホを取り上げた。
どうせ課金するなら私たちの子供たちに課金してよ!
自分の子供たちをクッソ強いキャラに育ててよ!課金ゲーム上等!とブチギレた。
そして、今後、塾に関する費用は私が全て支払い責任を持ちます!と言い放った。
夫は、ブチギレながら胸の内をぶちまけた妻を見てあっけにとられていた。
そんなやりとりの後、スコアアップして自信をつけた勇人が帰宅して言った。
そして父親に、今年はGWのディズニーランドは我慢してもいいよ。と言った。
後日、武田勇人の父親が特別講習の申込書を持って桜花に訪ねてきた。
黒木は、特別講習の申し込みに父親が納得していない様子をみて言った。
お父様が納得していないのであれば、申込書を受け取るわけにはいきません。
武田勇人の父親は妻に、課金するなら自分の子供に課金しろと言われたことを話す。
黒木は、納得しながら説明し始めた。
中学受験は、課金ゲームかもしれません。
敵を倒し、次に進むには、知識とコツ、テクニックが必要です。
そして何より大切なのはタイミングです。
課金して装備を整えてもタイミングを間違えたらお金をドブに捨てることになります。
勇人さんは今自分の可能性に目覚め始めています。
ここはどうか、お父様とお母様が稼いだ大切なお金を勇人さんのために使ってみてはいかがでしょうか。
武田勇人の父親は、自分の好きなゲームを例に上手に説明する黒木に感心した。
そして、GW特別講習の申し込みについて納得し、申込書を提出した。
こうして、佐倉は、Rクラス全員特別講習の受講申し込みノルマを達成したのだった。
第5話:成績トップの苦悩 島津順の回 (2021年11月13日放送)
![](https://www.stacky.jp/wp-content/uploads/2021/11/drama_2gatu_05-1024x410.png)
桜花ゼミナールでは、クラス分けテストの結果が張り出されていた。
クラスは、トップから、Ω(オメガ)クラス、Aクラス、Rクラスとなっている。
生徒たちは自分のクラスを確認し一喜一憂していた。
そんな中、桜花ゼミナールトップの成績である島津順もクラス発表を見ていた。
しかし、彼は自分のクラスではなく、上杉海斗のクラスをチェックしていた。
上杉海斗は双子であり、弟の上杉陸斗は日本No.1塾ルトワックのSクラスにいる。
彼はもともと弟と同じルトワックにいた。しかし、今は桜花にいる。
桜花に転塾したのは、ルトワックについていけず、当時ルトワックにいた黒木に辞めさせられたからだというウワサもあった。
島津順はそんな、上杉海斗が気になっていた。
桜花ゼミナールの講師室では、クラス替えによって親から来るクレームを心配していた。
しかし、黒木は全く心配はしていなかった。そして講師たちに説明した。
クレームが来ても一点刻みの点数表をつきつければ問題ないでしょう。
これ以上はっきりとした結果はありませんから。
入試では努力や頑張りは評価されません。中学入試はすべて点数評価です。
ここでは目に見えないもので生徒を評価するのは、本人のためにもなりません。
そこで、Aクラス担当の桂は、学力アップのための対策として伸び悩んでいる子どもには、5年生のテキストをやらせ基礎を固めたいと言った。
黒木は、いいですね。と賛成した。
しかし、桂は、このやり方は親からこんなクレームがくるのではと心配していた。
うちの子は5年生レベルなんですか?さらに遅れをとるんじゃないですか?
黒木は、桂が心配するクレームの対策として、1つの企画を打ち出した。
それは、夏期講習の期間中に「Ωクラスへの選抜テストを行う」というものだった。
内容は、このテストの合格者はΩクラスへの昇格させる。定員は最大3名。
このテストの範囲は、5年生テキストから出題すると大々的に告知するという。
こうすることで、トップクラスに上がるために5年の範囲を必死で勉強するようになる。
桂の心配するクレームは来なくなる。講師たちは納得した。
Aクラスの生徒は、Ωクラス選抜テストの告知をみて、やる気を出していた。
桜花ゼミナールでは、夏期講習が始まった。
この時期から子どもたちに受験のプレッシャーがかかり始める時期である。
体調不良などいろんなトラブルも起きやすいため佐倉は気を引き締めていた。
そんなとき、6年生の自習室で取っ組み合いのケンカが起こった。
Ωクラスの島津順とAクラスの上杉海斗である。佐倉はあわてて止めに入った。
別室に島津順と上杉海斗は連れて行かれ、佐倉が事情を聞いた。
ケンカは、島津順が上杉海斗に吐いた暴言がきっかけだった。
偏差値60以下の学校なんて学校じゃねーよ。
そんなとこ目指してるなんてマジゴミだし。
この発言に腹を立てた上杉海斗は、島津順に飛びかかったのだった。
暴言に対して、佐倉はなんでそんなこというの!と島津順を問い詰めた。
だって本当のことだし。
こんなやつと同じ部屋で自習するのマジ目障りなんだけど。
島津順の発言に対して、同席していた黒木はすぐに言った。
明日からΩクラス専用の自習室を用意します。
島津さんは教室に戻ってください。
島津順が、退席したあとに黒木は上杉海斗に注意した。
今後いっさい島津さんともめごとを起こさないように。いいですね。
上杉海斗は悔しそうな顔で黒木を見つめた。
教室を出て行った黒木を佐倉は追いかけて黒木に言った。
黒木先生、あんまりです。悪いのは島津くんなのに、上杉くんがかわいそうです。
黒木は立ち止まり、
悪いのがどちらかを裁くのは塾の仕事ではありません。
残念ながら塾では「道徳」という科目は教えていませんので。
そんな黒木の発言に佐倉は納得がいかずに言った。
このままだと、上杉海斗は成績優秀な子たちの犠牲になってしまいます。
黒木は、歩みを止めて言った。
佐倉先生、あなたはまったく見誤っています。
上杉海斗は、あなたが言うほど弱い人間ではありません。
佐倉は理解できないまま、立ち去る黒木の背中を見つめた。
桜花ゼミナールトップで偏差値68の島津順は、教育熱心な父親に苦悩していた。
彼の父親は、偏差値60以下の学校は学校ではないと、家の中で言っていた。
そして、今でも基礎固めを進める桜花ゼミナールの学習指導に不満を募らせていた。
島津順は、塾の宿題以外にも父親が買ってくる問題集を大量に解かせられていた。
父親は、塾の宿題をやる息子に、塾の宿題なんかやらなくていい。といった。
私の問題だけを解いていればいいと自己流の勉強法を息子に押し付けていた。
息子の学習の管理は、母親に任されていた。
ある日、父親は、偏差値54の学校の過去問題を息子に解かせた。
しかし、島津順は、半分も解くことができなかった。
これを見た父親は激怒し、何を勉強させていたのかと母親を叱りつけた。
入試まで半年もないんだぞ!何をしていたんだ!と問題集を投げつけた。
なんであれほどいったのに、私の課題をやらせていないんだ!
さらに、息子のケンカの傷を見つけて、さらに母親を叱りながら命令した。
クズのような連中とは一緒に勉強させられないと塾に言ってこい!
母親は震えながら、はい。といった。
父親は、こんな学校はゴミだ。と言って偏差値54の過去問題集をゴミ箱に捨てた。
母親がひどく怒られるのを見るたび、島津順は心を傷め、おびえていた。
次の日、母親は塾にお弁当を届けに行ったが、島津順は塾に来ていなかった。
母親はおどろき、息子に電話をするがつながらない。
そして、私のせいだと自分を責めながらも、夫になんて言えばいいのかと取り乱した。
黒木は、必ず見つけますと言って、島津順の捜索が始まった。
当てずっぽうで探そうとしていた佐倉に黒木はいった。
むやみに探しても無駄です。一足先に探しに行った人物がいます。
佐倉は上杉海斗がいないことに気づき、彼のスマホに連絡するが出ない。
探してきます!と言って、佐倉は彼の塾までの通学ルートをたどった。
黒木は、別室で島津順の母親に家で変わった様子はなかったか聞いた。
母親は、父親が買ってきた偏差値54の過去問を半分も解けなかったことを話した。
父親の自己流の勉強法について黒木は言った。
それは無茶な勉強法です。
この時期トップクラスの子でも偏差値54の過去問をやって合格ラインを超えるのは難しい。
かえって自信を失わせ動揺させるだけです。
中学入試には正しい勉強法と目標校に向けた戦術が必要なんです。
しかし、それでも、塾のカリキュラムと自分の管理が悪いと言われたと母親は言った。
そうですか。と黒木は、答えた。
ちょうどその時、島津順が見つかったと佐倉から連絡が入った。
今回の見どころ:島津順と上杉海斗の友情シーン
上杉海斗は、今日塾に来る途中で神社の境内で座っている島津順を見かけていた。
そして、桜花ゼミナールに弁当を届けにきた島津順の母親が息子が塾にきていないことを知り、心配する姿をみて島津順を探しに自習室を飛び出した。
神社の境内で座っている島津順を見つけて上杉海斗は話しかけた。
親に期待されてるとちょっと塾サボるのも大変なんだな。お前んちのお母さん塾来てた。
お前がいないって騒ぎになってた。どうしようって泣いてた。
それを聞いて、島津順は少し動揺した。そして、上杉海斗に言った。
お前だって授業中じゃないの。
俺なんかいなくなっても誰もなんも思わないよ。と上杉海斗がいうと、上杉海斗のスマホに塾から電話がかかってきた。しかし電話を無視した。
なんでここがわかったのかと島津順が聞いた。
お前、桜花のトップだから有名人だし、目立つんだよ。
それにときどき見かけてたから。と上杉海斗は言った。
なんだよそれ。それにお前ってルトワックにいのになんで桜花にいるんだよ。
島津順は、上杉海斗がルトワックにいたことがずっと気になっていた。
上杉海斗は、軽く言った。
わかってんじゃんそんなの。成績落っこってクビになっただけだよ。
これを聞いた島津順は、4年生の時にルトワックの入塾テストでSクラスに入れなかったこと、それが悔しくて桜花で1番になることにしたことを話した。
これを聞いた上杉海斗は、なんかかっけーなそういうの。といった。
島津順は、上杉海斗はもともとルトワックのSクラスにいたのに、いま桜花のAクラスにいるのがなんか許せなかったと打ち明けた。
それを聞いた上杉海斗は、自分は双子の兄で、弟の陸斗の方が優秀でルトワックのSクラスにいること、自分は弟や島津順のようにみんなからは期待されてないと言った。
そんなことはないよ。と島津順は言った。
黒木先生がおれに言ってたんだ。お前がいつかおれのライバルになるって。
いつか机を並べる日が来るって言われたんだ。
それを聞いた上杉海斗は、そうなの・・?とつぶやいた。
島津順は、Ωクラス選抜テスト受けろよ。と上杉海斗に言った。
ちょうどその時、佐倉が会話している2人を発見したのだった。
桜花に戻ってきた息子を島津順の母親は抱きしめて言った。
嫌なら塾も中学受験もやめてもいいのよ。
いや、やめない。やめたらママがパパにいじめられる。と島津順は言った。
その時、島津順の父親が息を巻きながら入ってきた。
行方不明になったのは、お前の監督不行届だと怒り母親に手をあげようとした。
しかし、講師たちが周りにいるのをみて振り上げた手をおろした。
そして、こんな時間まで何をしていたのかと怒りながら聞いた。
友達と話してた。と答えると、父親は怒った。
ただでさえ時間がないのに、バカの相手している場合じゃないだろう!
そう言うと、島津順は、父親が自分を連れて帰ろうとした手をふりはらった。
そして、父親をにらみつけて強く言った。
ぼくの友達をバカっていうな。
父親は、息子に反抗されてひるんだ。しかし強気に帰るぞと言った。
島津順は、廊下で様子を外で見ていた上杉海斗に向かって、
Ωで待ってるからな。
そう言うと、父と母に連れられて帰っていった。
佐倉はケアが必要だったのは、上杉海斗ではなく島津順だったと気づくのだった。
そして、これからどうすればよいのか黒木にたずねた。
これ以上できることは何もありません。
たかが塾講師が、他人の家庭に踏み込む権限はありません。
黒木はそう言うと、少し悔しそうに下を向いた。
ドラマ「二月の勝者-絶対合格の教室-」は日本テレビで放送されているドラマです。
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第6話:劣等感に立ち向かう 柴田まるみの回 (2021年11月20日放送)
![直江樹里との化学反応で柴田まるみが成長するシーン](https://www.stacky.jp/wp-content/uploads/2021/11/drama_2gatu_06-1024x410.png)
桜花ゼミナールでは夏季講習中、そしてΩクラス昇格テストを目前に控えていた。
Aクラスの柴田まるみは、おとなしい性格でコツコツと勉強する生徒だった。
不登校だが塾にはきちんと通い、少しずつ成績をあげていた。
黒木は、この柴田まるみにある可能性を感じていた。
夏期講習の期間中、生徒たちは自習室で勉強していた。
そんな桜花ゼミナールに制服を着た女子生徒があらわれた。
有名難関校、二葉女子学院の制服である。その女子生徒の名前は大森紗良。
女子なら一度は憧れる学校の生徒の登場で、桜花の女子生徒は盛り上がった。
しかし驚いたのは女子生徒だけではない。
佐倉と桂は、大森紗良の登場に驚いていた。
大森紗良は、桜花ゼミナールの講師たちの憩いの場「井の頭ボウル」の娘であった。
佐倉と桂は、大森紗良が黒木と知り合いだったことを知りびっくりするのだった。
大森紗良は黒木の教え子だった。彼女は黒木に頼まれて来たのだった。
彼女は、柴田まるみを見つけると声をかけた。
二葉女子学院の制服ですよね。と柴田まるみがつぶやいた。
大森紗良は明るくニコニコしながら、二葉女子学院について話始めた。
制服はあるが私服でもいいこと、人と違うのが当たり前とする自由な学校だという。
みんな一人一人がちがうのは当然だし、みんな人のことに口出ししたりしない。
人と違うのって面白いし、かっこいいと言った。
柴田まるみは、そんな大森紗良の話を聞いて二葉女子学院に興味を持ち始めた。
いつもは自宅で学習していた、柴田まるみが自習室に現れた。
佐倉は、おどろいた。
柴田まるみは、廊下に貼られた偏差値別の学校一覧で、二葉女子学院を見ていた。
合格率80%の予想偏差値は65と高く、少しがっかりしている。
そこに黒木が声をかけた。柴田まるみは、勇気を出して志望校について相談した。
わたしには無理ですよね。二葉女子学院なんて、という柴田まるみ。
黒木は、二葉女子学院、いいじゃないですか。
ここは、個性を大事にしてくれる素晴らしい学校です。
ただし、偏差値は65点大変な努力が必要です。
家の人とも相談して第一志望校として合格を目指しませんか。
まずは、Ωクラス選抜テストを受けてみて下さい。
柴田まるみは、はい!と言ってうれしそうに教室に戻っていった。
毎年、柴田まるみは、桜花ゼミナールの夏合宿には参加していなかった。
しかし、柴田まるみの母親から連絡があり、参加の申し込みがあった。
担任の桂は、おどろいた。
桜花ゼミナール吉祥寺校に所属する6年生全員が夏合宿参加となった。
桜花ゼミナールでは、夏合宿前に黒木肝入りのΩクラス選抜テストが開催された。
採点する講師たちは、生徒たちの学力が上がっているのを感じ嬉しくなっていた。
選抜の結果は、夏合宿で発表される。夏合宿から新しいクラスでスタートする。
夏合宿当日、合宿会場のホテルのロビーにクラスと部屋割りが張り出された。
Ωクラス選抜テストの結果、Ωクラスの昇格したのは2名。
柴田まるみと上杉海斗だった。
上杉海斗は、前回島津順とのトラブルをキッカケに仲良くなっていた。
島津順が教えるなど、一緒に勉強をしていた結果が実った。
柴田まるみは、Ωクラスの昇格してうれしくなっていた。
しかし、Ωクラスの女子との部屋割りに少し不安もあった。
Ωクラスの直江樹里は、Ωクラスに女子が入ってきたことにウキウキしていた。
直江樹里は、オシャレが好きで、明るくマイペースな女の子である。
柴田まるみを見つけると、持ち前の明るさで話しかけていった。
はじめは、柴田まるみは戸惑っていたが直江樹里と打ち解け仲良くなっていった。
Ωクラスでスタートした夏合宿は、柴田まるみにとって厳しいものとなった。
授業のスピードについていくのがやっとで、周りとの差に自信を無くしていた。
一方、直江樹里との仲は深まり、2人は友達になっていた。
算数をパズルのように解く天才肌の直江樹里の偏差値が72ときいて驚いた。
そして、直江樹里の志望校が自分と同じ二葉女子学院だと知る。
直江樹里は、柴田まるみと同じ志望校にうれしいと喜んだ。
しかし、柴田まるみは、自信を完全に喪失してしまった。
夏合宿を終えて戻ってきた柴田まるみは、元気がなかった。
母親が心配そうに、何があったの?と尋ねると、
二葉女子学院なんか夢見てバカだった。わたしなんかが受かりっこない。。
そう言って涙をポロポロと流したのだった。
桜花ゼミナールの講師室で、黒木と佐倉に柴田まるみの変化について会話していた。
佐倉は、柴田まるみは、直江樹里と仲良くなったことで、今までとは違う雰囲気になったと感じていた。
黒木は、タイプの違う2人の混ぜ合わせ、化学反応に期待していると言った。
佐倉は、黒木の言うことに理解を示しつつも、心配そうに言った。
柴田さんは、無理をしているようで少し苦しそうにも見えます。
そう言った時、電話が鳴った。柴田まるみの母親からの面談の依頼だった。
面談で、柴田まるみの母親は、Aクラスに戻して欲しいと黒木にお願いした。
そして、二葉女子学院のような難関でなく子どもに合った分相応な学校で良いこと、
不登校の娘が塾には毎日通ってくれているので、無理はさせたくはないと言った。
黒木は、母親の希望を聞きつつ最善の策を考えます。と言った。
そして、柴田まるみのΩクラスでの様子を伝えた。
Ωクラスにあがってからは、友達ができて生き生きしている様子でした。
それを聞いた母親は、おどろいて言った。
友達?そうなんですか?
佐倉は、直江樹里と授業中も休み時間も一緒で仲良くしている様子を伝えた。
それを聞いた母親は、あの子にお友達ができるなんて。。と目に涙を浮かべた。
黒木は、母親に向かって言った。
環境の変化は、良いことばかりではありません。精神的負担がかかることも事実です。
お母様に弱音を吐いたことは、成長の1つとお考えになってはいかがでしょうか。
もう少し様子を見させていただけないでしょうか。しっかりサポートいたします。
母親は、よろしくお願いします。と承諾した。
面談後、黒木は、佐倉に言った。
中学受験は本人よりも親の方が先に音をあげます。
子供は大人が思っているよりもタフです。
ですが、理科・社会は遊び感覚で覚え、算数の難問を鼻歌まじりで解く直江樹里の天才ぶりに打ちのめされたのも事実でしょう。
それを聞いた佐倉は、このまま柴田まるみが、せっかく友達になった直江樹里の元から離れていってしまうのではと言った。
心配する佐倉に黒木は、秘策があります。と言った。
今回の見どころ:直江樹里との化学反応で柴田まるみが成長するシーン
夏合宿明けに、桜花ゼミナールにいくと、Ωクラスの座席が指定されていた。
座席を決めたのは黒木だった。
柴田まるみは直江樹里の隣だった。柴田まるみは、少し気が重かった。
直江樹里は、柴田まるみの隣をよころんだ。
授業の中で漢字のテストを行い、隣同士で採点しあうことになった。
柴田まるみは直江樹里の漢字のテストを採点し、満点なのにまた驚いていた。
そこへ、国語講師の桂がきて、柴田まるみが採点した直江樹里の答案をみて言った。
直江さんは、漢字のはね・とめ・はらいがメチャクチャなの。
そこをしっかり見てあげてね。と柴田まるみに言いながら採点しなおした。
そして、桂は、全部埋めている直江さんよりも、柴田さんの方が点数が取れてるよ。
といい、直江樹里に丁寧に漢字を書くように注意した。
直江樹里は、柴田まるみの答案の字がていねいでキレイだとほめた。
そして、自分もまるみの几帳面さ見習わなきゃなと言った。
柴田まるみは、自分が天才の直江樹里からそんなこと言われて、とまどった。
塾の帰りに柴田まるみは誘われて、直江樹里の家で一緒に自習することになった。
直江樹里の家は、美容院で両親は美容師だった。
柴田まるみは、直江樹里がオシャレな理由がわかった気がした。
美容院の一部が勉強部屋になっており、ここで勉強していると直江樹里はいった。
直江樹里の母親は、柴田まるみを歓迎し、仲良くしてくれてありがとうと言った。
母親によると、自分が樹里にオシャレでかわいい格好をさせすぎてしまっているせいか、学校では少し浮いてしまっていると言う。
周りを気にせずにファッションを自由に楽しめる学校を探していて、TVで二葉女子学院を知って受験したいと言い出したとのことだった。
直江樹里は、母親にまるみと一緒に二葉女子学院にいくんだと言った。
自習をしていると、直江樹里が、わたしは国語が嫌いで、まるみは算数が嫌い。
私たち正反対だね。と言った。
その言葉を聞いて、柴田まるみは胸が劣等感でいっぱいになった。
わたしは、樹里とはちがう。頑張っても頑張っても全然できるようになれない。
そんなのあとちょっとじゃん。と直江樹里が言うと、柴田まるみは大きな声で言った。
樹里の国語とはちがうよ!一緒にしないで!と言って飛び出して行った。
直江樹里は柴田まるみを追いかけて、歩道橋の上で追いついて言った。
一緒にしないでって言いたいのはこっちが言いたいセリフだよ!
直江樹里は、自分は5年からΩクラスで、2年間ずっと同じ位置でなんだと言った。
柴田まるみは、涙をながら叫んだ。そんなことわかってる!
わたしみたいにできない子と一緒にされたら嫌なことくらいわかってる!
そうじゃない!直江樹里も自分の思いを泣きながらぶちまけた。
まるみがコツコツ自習したり、嫌な科目も逃げずに取り組めること、本気出したらすぐに何人も抜いてΩクラスに昇格しちゃうとか。
まるみには伸びしろしかないじゃない!
柴田まるみに向かって叫んだ。柴田まるみも言い返す。
そんなの樹里も同じだよ。そっくりそのまま返すよ!
2人で思いのたけをぶつけ合ったあと、柴田まるみが覚悟を決めていった。
わかった。わたし二葉女子学院めざす。樹里と一緒に二女(フタジョ)いきたい!
樹里もまるみと二女(フタジョ)いきたい!
そう言いながら、2人は泣き顔から笑顔になった。
夏季講習の終盤になった。
佐倉と黒木は、柴田まるみと直江樹里が仲良く塾にきている姿を見つける。
柴田さんは、活発なのは似合わないと思われていても、実際には直江さんのようになりたいと憧れを持っていた。
しかし、それは、憧れの天才側の直江さんも同じだったんです。
黒木は、そういいながら、佐倉と一緒に仲良く教室に入っていく2人の姿を見ていた。
2人のカバンにはおそろいのマスコットのキーホルダーが揺れていた。
第7話:自分の居場所がほしい 石田王羅の回 (2021年11月27日放送)
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夏季講習が終わり、6年生は本格的に受験生らしくなっていった。
桜花ゼミナールの6年生の学習量も増え、受験への意識が高まっていた。
9月になり、夏の成果をためす統一合格判定模試が実施された。
しかし、模試の結果は、思ったほど伸びていない結果となっていた。
講師たちは、昨年と同様の合格実績となってしまうのではと心配していた。
そこに黒木が来て言った。
夏の成果は9月には出ません。全国の受験生全体の学力が上がっているからです。
この夏頑張って、点数が上がっていたとしても、偏差値は横ばいでしょう。
偏差値が下がることもごく普通の現象です。
ここから偏差値を上げていくことは至難の業です。
そういうと、黒木はさらに講師たちに向かってこれからのミッションを示した。
我々が取り組まなければならない最重要課題は、上がらない偏差値を見たお客様たちをいかに黙らせるかであり、中学受験から撤退することを考えるパニックった親に対して対処することである。
そして、桜花ゼミナールをやめさせないことが最も重要なポイントだと強調した。
秋はかき入れ時であり、日曜特訓、志望校別特訓、お正月特訓などがある。
つまり、塾の本格的な集金はこれからだということである。
講師たちの表情が引きしまった。
そして、保護者面談が始まった。
- 偏差値が高くみんなが知っている有名校に行くことに意味があるという母親
- 目標の偏差値に向けて何をすればいいのか具体策を出せと言う父親
- 絶対に子供を慶応に入れなければならないと言う母親
- 中学受験そのものにくじけそうになり終始泣いている母親
など
面談を担当した佐倉や桂、橘は、さまざまな保護者の対応にヘトヘトになっていた。
Rクラスには、石田王羅という、天真爛漫で明るく素直な生徒がいる。
しかし、6年生の中では幼いところがあるほか、勉強には身が入らないタイプだった。
自習室でコーラを吹きこぼしたり、音を出してゲームをしたりしてしまっていた。
集中して勉強したい生徒にとっては邪魔者になっていた。
ある日、騒がしくする石田王羅に、女子生徒の大内礼央が大きな声で注意しているところを講師の橘が目撃し、女子生徒の大内礼央が騒いでいると勘違いして注意してしまった。
真相を知らない橘のところに、大内礼央の親から塾にクレームが来た。
うるさくしている生徒を注意しただけなのに自分が橘先生に怒られた泣いて電話がかかってきたという。
そんなところは勉強できる環境じゃないので、塾をやめさせたいとのことだった。
橘は状況を説明しようとしたが取り付く島がないまま電話を切られてしまった。
適切な対応ができなかった橘に、黒木は今後の処遇は覚悟するようにと言った。
橘はがっくりと肩を落とした。
今回の見どころ:石田王羅と橘とのふれあいシーン
塾に行く途中で公園でザリガニを見つけた石田王羅は、捕まえようとして池にはまってしまい、ドロまみれのままで、橘が授業する教室に入ってきて騒ぎになった。
橘は屋上に石田王羅を連れていき、佐倉が持ってきた着替えを渡した。
そして、汚れた服や靴を洗いながら言った。
あのさあ、お前さあ、そもそもどうしたいの?中学受験。
すると、石田王羅は無邪気にいった。
よくわかんない。中学はどこでもいい。ほんとは遊びたい。
橘は、そういう石田王羅の気持ちに理解を示しながらも、何になるにも今勉強しておいて損はないからやっておけと言った。
そして、せっかく朝から塾にきたのだから自習室で勉強するように言うと、着替え終わった石田王羅は素直に、はーいと返事をして出て行った。
この一連のやりとりを横で見ていた佐倉は、橘の対応が優しいと褒めた。
そして、Rクラスの担任として石田王羅の扱い方に悩んでいいることを打ち明けた。
すると、橘は言った。
あいつに手を焼いているのは皆同じですよ。
でも、あいつ毎日こうやって塾に来てるじゃない。
それが当たり前のように感じてしまっているけど
そもそも小学生が毎日塾に来て座っていると言うこと自体がすごくね?
すごいことだと思うんだよ。
そこから認めてあげないと。本来の小学生なんてみんなあんな感じだぜ。
佐倉は、うなずいた。
でも、今みんなが必死に勉強し始めているから、ここからは少し考えないといけないなと真面目な顔をして言うと橘は去って言った。
石田王羅の母親が桜花ゼミナールにきて、息子が迷惑をかけたことを佐倉に謝った。
そして、母親との会話から石田王羅が通塾している理由を知ったのだった。
石田王羅は、父親を早くに無くし、母親と祖母と暮らしている。
母親の自分は自営業で忙しく、これまでは祖母が石田王羅の面倒をみていた。
しかし、学年が上がるにつれて学童にも祖母にも預けるのが大変になった。
そんな中、一番長い時間子どもを預かってくれるのが進学塾だと知り、子どもの預け先も兼ねて桜花ゼミナールに通わせているとのことだった。
学校でも、友達がなかなかできなかったが、塾に通うようになって友達ができたという。
そして、橘先生にお世話になっており、家でも橘先生の話をよくすることを嬉しそうに佐倉に話し、よろしくお願いしますと言って帰っていった。
佐倉は、黒木が石田王羅の母親をエレベーターで送るところを目撃した。
そして、石田王羅の母親が訪ねてきたことについてどうしたのかと聞いた。
すると黒木は、石田王羅の母親と一緒に、子どもにとって最善の策を考えたという。
佐倉は、少し不安になった。
王羅さんが周りの生徒よりも幼く、勉強に向いていないとしても、塾に通わない理由にはなりません。
黒木はそう言って講師室に入っていき講師たちに向かっていった。
石田王羅さんには、桜花ゼミナールを退塾していただくことになりました。
ちょっと待ってくださいよ!いくら何でも!と、橘が立ち上がって言った。
そこへ、桜花ゼミナール社長の白柳が入ってきた。講師全員が驚く。
白柳はチラシを配りながら言った。
お気づきになっている方がいらっしゃるかと思いますが、このビルの5階に個別指導塾「ブルーミング」を開講することにしました。
来年度からの開講の予定でしたが、黒木先生のご希望により今月からプレ運営することにしました。
新規の入塾はもちろん、桜花の生徒に入塾していただいても構いません。
白柳そう言った後に、黒木は石田王羅について話を続けた。
なので、石田王羅さんには上の階に言っていただくことにしました。
これはお母様のご希望でもあります。
そう言って講師室を出て行った。
白柳も講師室を出て行こうとしたが、その時に橘に声をかけた。
あ、そうだ橘先生、来年度からはブルーミングの校長になってほしいと思ってます。
非常に熱心で面倒見も良いと黒木先生からの推薦です。条件は悪くはしませんよ。
橘はクビを言い渡されると思っていたので、まさかの昇進の話でびっくりしたのだった。
佐倉は、Rクラスの宿題ノートをチェックしていた。
石田王羅の宿題ノートをみていると、ノートの端にパラパラ漫画が書かれていた。
漫画に書かれていたのは橘の顔だった。最後は笑顔になるパラパラ漫画だった。
佐倉はわらって橘に伝え、本人へのノート返却をお願いした。
橘は嬉しそうにノートをみながら、佐倉の依頼を了承した。
5階のブルーミングに通い始めた石田王羅は、間違えて桜花のある4階で降りていた。
いっけね、間違えて4階で降りちゃった。と言った石田王羅を見つけて橘は言った。
そうだよ。今日からお前は5階だからな。
いっけね。と笑顔で頭をかく石田王羅をみて、
ほんとお前は大物になるよ。と言って頭をなでた。
そして、宿題ノートを渡しながら言った。
5階に行ったら勉強頑張るんだぞ。俺は見てるからな。
そういうと、石田王羅は笑顔で、はいはーいと言って5階に向かった。
第8話:受験断念?島津家の大ピンチ 島津順の回 (2021年12月04日放送)
![](https://www.stacky.jp/wp-content/uploads/2021/12/drama_2gatu_083-1024x410.png)
桜花ゼミナールでは、保護者面談が行われていた。
これから本格的な受験シーズンを迎えるにあたって、志望校や学習計画、保護者からの質問などについて対応する重要な面談である。
そんなとき、島津順の親は保護者面談の時間になっても現れなかった。
桜花ゼミナール講師室で、黒木は何も連絡がないことに不安を抱いていた。
前回、島津順が塾をサボった時の騒動で、島津順の家の状況を知っていたからである。
島津家では、父親が自己流の学習法を息子に押し付けており、塾以外の問題を大量に解かせるなど無理な学習をさせている。
また、母親に息子の学習管理をさせていた。
成績が上がらない場合は、塾の指導方法がおかしいと怒り、そして母親の管理不足だと暴力を振るうなどの傾向があることも知っていた。
しかし、塾講師が家庭に介入することはできないため、静観するしかなかった。
同じように、前回の状況を知っている佐倉も心配していた。
こちらから電話しようかと思っていた時に島津順の母親から電話がかかってきた。
黒木はすぐに佐倉が取った電話をスピーカーへ変え、会話が聞けるようにした。
島津順の母親は、おびえるような声で言った。
面談の予定だったのですが、今立て込んでいて面談にうかがえる状況ではなくて…
そう言った時、電話の向こうから父親の怒鳴る声が聞こえた。
もう塾には頼らないと言ったはずだろ!いいから電話を切れ!
電話の向こうの状況を黒木は、黙ってスピーカーから聞いていた。
佐倉は、わかりました。落ち着いたら面談日時を組み直しましょう。と言った。
そして電話が切れた。明らかに、島津家で何かが起きている。
黒木は、少し時間をおいて自分からかけてみますと言った。
その頃、島津家では、父親が問題が解けない息子の順に怒鳴っていた。
なんでこの程度の類題が解けないんだ!
あの塾にカリスマとやらが来てるから、お前の成績が落ちてるんだ。
いいか、おれの言う通りにすればいいんだ。ひたすら解いて解きまくれ!
その時、島津家の電話が鳴った。黒木からの電話だった。
電話を無視し、父親は怒鳴り続けた。
できるまでやれ!できるまで寝るな!
それをみていた母親は、もう我慢できず夫に向かって懇願した。
これ以上やったら順が倒れてしまう。もうやめて…
しかし、父親はうるさい!と言って、母親を突き飛ばした。
そして、おまえが順に甘いからダメなんだ!母親を責めた。
その間も鳴りやまない電話にいら立ち、電話を丸ごと投げた。
その瞬間に受話器が外れた。会話が黒木の耳に入る。
島津順の母親がもうやめて!と叫ぶ声と、父親が怒鳴り暴れている音を聞いて、黒木は立ち上がり、塾を飛び出していった。
佐倉もあわてて黒木を追いかけ、あとをついて行った。
島津家に着くと、そこにはパトカーが来ていた。
黒木は、パトカーの間を抜けて島津順の家のインターホンを押した。
空いてるよ。と父親の声をしたので扉を開けて、黒木と佐倉は中に入った。
家の中は、父親が用意したと思われる問題集や椅子やテーブルなどの家具が散乱していた。
しかし、家の中には父親しかおらず、母親と息子の島津順はいなかった。
父親によると、息子が暴れたので自分が通報したとの事だった。
しかし、実際は母親を守るために息子は父親に歯向かったのである。
父親に対して、反抗した息子が謝らないから警察に通報したのだと言う。
母親はもう耐えられない。と言って息子と一緒に家を出て行ったのだった。
父親は、悔しそうに言った。
いま、おれは誰よりもあいつの将来を考えている。
なのにあいつは受験と言うものをなめてんだ。
だいたい、受験や勉強というものは、苦しさに耐えてやるものだろう。
おれは、自分のやり方で大学に合格したんだ。
そういう父親に、黒木は言った。
あなたは、そのやり方で苦しさを乗り切った。ご立派だ。
しかし、あなたが大学受験をしたのは18歳、息子の順さんは12歳です。
40キロそこそこの体重で、10キロ近い勉強道具を背負って塾に通ってるんです。
そんな会話の中、佐倉のスマホに桜花ゼミナールからメッセージが届いた。
島津順と母親が桜花ゼミナール向かっているという内容だった。
黒木はそのメッセージを見ると、父親との会話を切り上げ、すぐに戻った。
![](https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51QCccaXlIL._SX339_BO1,204,203,200_.jpg)
桜花ゼミナールに黒木と佐倉が戻ると、すでに島津順と母親が来ていた。
母親は相談室に、島津順本人は勉強したいというので空き教室で勉強していた。
母親は、相談室に入ってきた黒木に何度も謝りながら言った。
うちはもう無理です。受験もやめようと思います。
目が覚めました。夫とは離婚しようと思います。
今日はいろんなことがありすぎて…と言って母親は涙声でいった。
黒木は、少し休んでからあらためてお話しましょう。と言った。
一方、息子の島津順は、空き教室で黙々と勉強していた。
母親が今日は失礼しますというので、黒木は言った。
今後のことは、お二人が落ち着いてよく話し合ってからがいいでしょう。
島津順と母を見送った。
見送ったあと、黒木は佐倉に謝った。
失礼しました。
家庭への介入はこれ以上できないとあなたに言ったばかりでした。
全て私の未熟さゆえの行動です。
島津さんの面談は様子をみて私が段取ります。
そう言って去っていった。
島津順と母親は、しばらく母親の実家で世話になることにした。
受験も含め、今後どうしていくかを考えている間、島津順は塾を休んでいた。
友人の上杉海斗は、島津順が塾に来ないことが気になっていた。
桜花ゼミナールの講師室では、昨夜あったことを佐倉が講師たちに報告していた。
講師たちは、島津順を心配しながらも家庭に介入できないもどかしさを感じていた。
そのような中、桜花ゼミナールでは保護者面談がすすめられていた。
黒木は、保護者の疑問や心配に対処できる資料やおすすめ学校を提案していった。
佐倉は、完璧に保護者を説得していく黒木がすごいと、同僚の桂と共に感心していた。
そして、いつあんな資料の準備をしているのかと不思議に思っていた。
![](https://m.media-amazon.com/images/I/716tj218BeL._AC_UL320_.jpg)
ある日、佐倉が戸締まりチェックをして帰ろうとしていた時に大きな音が聞こえた。
何事かと、講師室の校舎長室にいくと黒木が倒れていた。
大丈夫ですか!病院にいきましょう!という佐倉に、黒木は言った。
あなたに頼みがあります。その荷物を「スターフィッシュ」に運んでください。
そう言って黒いスーツケースを指差した。
佐倉は、そんなことより病院にいきましょう!というが黒木は大きな声で言った。
私のことは放っておいてください。荷物を運んでください。早く!
佐倉は、言われるがまま荷物を持ってタクシーに飛び乗った。
しかし、黒木を放っておけない佐倉はタクシーの中で電話した。
電話の相手は、黒木の元同僚でルトワックの講師の灰谷だった。
灰谷は、ルトワックNo.1の講師だった黒木のことを尊敬していた。
しかし、ある日、黒木がルトワックをクビになった。
灰谷は、その理由を探るためずっと黒木の後をつけて回っていたのだった。
その中で、佐倉と知り合い2人は顔見知りとなっていた。
そして、黒木をつけて回って辿り着いたのが「スターフィッシュ」だった。
「スターフィッシュ」は、夜の街の一角にある無料塾だった。
経済的に塾に通わせられない子や、学習する場所や機会がない人たちに向けて黒木が開いている塾なのだった。
そこには、小学生だけでなく、中高生や大人、学習したい人が集まって学ぶ場所になっていた。
講師たちの憩いの場「井の頭ボウル」の娘の大森紗良も、この「スターフィッシュ」で黒木から学び二葉女子学園合格したのだった。
佐倉は、大森紗良を通じて「スターフィッシュ」の存在を知っていた。
佐倉は、黒木からたのまれた重いスーツケースを「スターフィッシュ」に運ぶとすぐに黒木が運ばれた病院へ向かった。
佐倉が運んだスーツケースの中には、大量の問題集が入っていた。
「スターフィッシュ」の塾生のために黒木が選び抜いた教材だった。
一人ひとりに合った問題集が手紙付きで用意されていた。
「スターフィッシュ」の生徒たちは嬉しそうに黒木からの手紙を読んでいた。
病院の待合室には灰谷がいた。佐倉は、病院に着くと灰谷にお礼を言った。
黒木はどうやら過労と栄養失調のようだった。
灰谷が言った。
黒木先生は相変わらずですね。人知れず黙々と仕事をする。
私はそんな黒木先生を尊敬し憧れていたのですが、離れてしまってからは何も言ってくれない態度がむしろ腹立たしくなっていました。
それでつい追い回してしまったんです。
「スターフィッシュ」てなんなんでしょうね…そういって、佐倉に問いかけた。
佐倉は、「スターフィッシュ」と桜花ゼミナール、両方での黒木の子どもたちに対する態度を思い出しながら言った。
私は、「スターフィッシュ」の存在をそのまま受け止めました。
黒木先生は、言ってることもやってることもぜんぶ子供たちのためなんだなあと。
すると、後ろに黒木が立っており、2人はびっくりした。
申し訳ありませんでした。私はもう大丈夫です。お引き取りください。
そういうと、遠くから、点滴が終わっていないと看護師に怒られていた。
佐倉は、桜花ゼミナールに戻り、明日の面談の準備を徹夜でやった。
そして、1人で面談を行い、なんとか切り抜けることができた。
黒木は、桜花ゼミナールに来ていたが、佐倉の対応を見て面談を任せたのだった。
佐倉は、出勤した黒木に体調は大丈夫なのかと尋ねた。
黒木は、質問を無視し佐倉の面談の様子についてコメントした。
佐倉は面談の内容を聞かれていたことに驚いたが自分なりに最良の方針を伝えたつもりだった。
黒木は、私も同じアドバイスをしたと思いますといい、佐倉の対応を認めた。
佐倉は、少しうれしくなった。
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黒木は、上杉海斗の保護者面談に向かった。
上杉海斗の保護者面談には母親が来ていた。
母親から出された志望校は、どれも今時点で合格率80%圏内のものばかりだった。
母親は、子供たちの向き不向きに合わせた教育方針をとっていると言った。
海斗はスポーツが得意なので、勉強では無理させたくないとのことだった。
しかし、黒木は事前に海斗本人から志望校を提出させていた。
そのため、母親との志望校にギャップがあることを伝えた。
母親に本人が書いた志望校を渡すと、母親は目を丸くしておどろいて言った。
こ、これは…本当に海斗が書いたのでしょうか。
黒木は、少し微笑みながら、はいと言った。
今回の見どころ:島津順が開成受験を自分で決意し父親に宣戦布告するシーン
桜花ゼミナールに島津順がひとりで現れた。
そして、黒木に伝えたいことがあると言った。
黒木は、空き教室に島津順と2人きりになった。
島津順は、黒木に、受験はやめます。と言った。
黒木がたずねた。
それは、お母様と話し合って決めたのですか。
ううん、自分で決めました。私立に行くことになったらお金がかかる。
ママと2人で生活していくならそんなの贅沢だし。。と言った。
黒木は、自分の意思でそう決めたのですね。と確認した。
うん。と島津順は残念そうに答えた。
そして、最後に見てもらいたいものがあると言ってカバンからノートを出した。
受験やめると言っておいてなんですけど…と言いながら、ノートを開いた。
それは、開成中学の過去問題を解いたものだった。
島津順は、より早く解ける解法を見つけたと黒木に楽しそうに説明した。
無駄のないすばらしい解法に黒木は笑顔で、あざやか!と言った。
そして、赤ペンを取り出して、ノートに大きな花丸をかいた。
島津順は、とても嬉しそうに言った。
やったぁ、超嬉しい。大きな花丸ひさびさにもらえたわ。
黒木は、あざやかに解いた島津順をほめた。
島津順は、残念そうに言った。
やっぱ最高だよね、開成の問題。
こんな問題を出す学校にチャレンジしたかったなあ…
そう言って、ポロリと涙を流した。
黒木は、そんな島津順をじっと見つめて考えていた。
その時、佐倉が入ってきて、島津順の母親が来たことを伝えた。
相談室には、島津順の母親と本人、黒木と佐倉の4人がいた。
黒木は、母親に言った。
経済的に私立への進学が難しいなら、学費が格安の国立や、都立の中高一貫校も受験の視野に入れてみてはどうかと提案した。
すると島津順が、もう受験はやめるんだ。と言った。
母親は、そういう息子を見ながら黒木に言った。
本人が決めたことなら、そういうことです。と息子の意思に従う意向を見せた。
黒木は、落ち着いて言った。最後にもう1つだけ提案をさせてください。
そう言って、母親の前に資料を提示した。
開成中学の募集要項です。ここをみてください。と言って指をさした。
それは、開成中学の奨学金制度の項目だった。
母親は、奨学金制度を聞いて不思議そうな顔をした。
黒木は、説明した。
もちろん開成中学の他にも奨学金制度を設けている学校はたくさんあります。
しかし、その多くは優秀な生徒を集めるための特待生制度です。
つまり、成績で選抜される奨学金制度なのです。
ところが、開成中学の奨学金制度は他とは大きく異なります。
もちろん、そもそも入試で合格する必要はあります。
そして、開成中学の奨学金制度を受けるには、別の選考基準があります。
その選考基準はこちらです。
そう言って、開成中学の奨学金制度の選考条件の資料をさらに提示した。
年間所得218万円以下、または給与収入400万円以下の世帯の子弟、そして、奨学金希望者は、入試出願前の11月の個別面談を受ける必要があります。
これは、開成で学びたいにもかかわらず、経済的理由でそれを断念しようとしている学生のための奨学金制度です。
母親は、不思議そうに、それはどういう意味かと聞いた。
黒木は、はっきり言った。
もしも経済的に不安をお持ちならこういった制度もあると言うことをお伝えしたまでです。
つまり、経済的理由は、順さんが開成受験をあきらめる理由にはならないと言うことです。
黒木の説明を受けて母親は、受験をやめる理由について話した。
受験をやめるのは経済的理由もありますが、それだけではありません。
中学受験は、そもそも父親が無理矢理やらせていただけで…
これを聞いた黒木は反応した。
無理矢理?そうなんですか、順さん。
島津順は、黒木にたずねられ、迷ったような表情をしながら少し考えて母親に言った。
無理矢理って訳じゃないよ、ママ。
ほんとうは、本当は、自分の力を試したい。
おれ、開成を受験したい。
そう言って立ち上がった。
母親は、思わぬ息子の発言におどろきながらも目をみて言った。
順、それがあなたの正直な気持ちなのね。
島津順が、うん。と強くいった。
母親は息子が正直に話してくれたことに安心してうなずき、黒木に向かって言った。
先生、先生を信頼してこの子を預けます。
黒木は、島津順を見たあと、母親を見てしっかりうなずいた。
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島津順は、いつも通塾中に通る神社の前に立っていた。
そこへ、なんか久々じゃね。といいながら、上杉海斗がやってきた。
神様にお願い事でもあるの?と聞いた。
島津順は、この神様は自分の守り神で幼い時からお願い事があると来ていたと言った。
それを聞いた上杉海斗は、島津順に向かって言った。
じゃあ、お願い事でもすっか。合格祈願ってやつ。
上杉海斗は、お賽銭を投げたあと島津順に聞こえる大きな声で言った。
おれの願いごと、とっておきの秘密だけど、声に出していうわ!
神様!お願いします!おれにも開成をチャレンジさせてください!
島津順は、上杉海斗の願いごとにおどろいた。
上杉海斗は続けて言った。
無理だってわかってる。でもおれも一番上をめざしてみたい。
島津みたいにてっぺん目指してみたい。
ママは…絶対許してくれないと思う。今は。
でも黒木先生はきっと応援してくれる!
そう言って神様に手を合わせた。
島津順は、そうだな。と言って自分もお賽銭を投げて言った。
開成合格!おれも海斗も。開成合格!お願いします!
上杉海斗も続けて言った。
開成合格!おれも島津も。お願いします!
そして2人で、お願いします!と言って神様に頭を下げた。
神社の境内には、「開成合格!順、海斗」と書かれた絵馬が下げられた。
父親が会社から出てくるところを待ち伏せて島津順は声をかけた。
動揺しながらも父親は、早く帰れ。ここへ来る暇があるなら勉強しろ。と言った。
島津順は、父親に覚悟を決めて言った。
おれは、開成を受験する。
パパのためじゃない。おれが受けたいから受けるんだ。
おれが自分の力で合格したら、パパが間違ってたとママに謝ってほしい。
それまで、おれパパに謝るつもりないから。
そう言って、父親に宣戦布告するとその場から走り去った。
第9話:親の期待に答えたい 今川理衣沙の回 (2021年12月11日放送)
![](https://www.stacky.jp/wp-content/uploads/2021/12/drama_2gatu_091-1024x410.png)
ある日の夜、ルトワックの灰谷は桜花ゼミナールを訪れた。
黒木は、空き教室に案内し先日倒れた時に病院へ運んでくれたことにお礼を言った。
灰谷は、黒木の体調を心配しながら言った。
黒木先生が倒れている書斎をみて、桜花ゼミナールでも子どもたちや、「スターフィッシュ」の子どもたちのために身を削って働いていることがわかりました。
そして、先日黒木から言われたことについて、灰谷は話した。
黒木先生は、自分の方が子どもたちから多くのものを与えられている。
それはどうしてか。と私にたずねましたよね。
私なりに考えていますが、実はますますわからなくなっています。
当時ルトワックにいた黒木先生は、多くの生徒を御三家へ送り出していました。
将来の日本を支えるエリートを世に送り出している。
それがあなたの生きがいだったはずです。
しかし、今の黒木先生はちがう。
あなたは今は、桜花や「スターフィッシュ」のような無料塾に命を注いでいる。
当時、ルトワックの黒木先生に憧れていた私は間違っていたということなのか。
一体何があなたを変えてしまったのですか。
黒木は、静かに言った。
自分の未熟さに気づいたことが私を変えたのだと思います。
しかし今は、そんな話よりも、子どもたちのことが大事な時期です。
そう言って、黒木は部屋を出て行こうとした時に灰谷は、ルトワックに通っている弟の上杉陸斗の開成中学の過去問題集に、黒木の添削コメントが入った海斗の答案を見つけたことを言った。
そして、陸斗と同じ開成中学を海斗にも受けさせる気なのかとたずねた。
黒木は、それは本人の希望だと言った。
![](https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51wN5M-suHL._SX340_BO1,204,203,200_.jpg)
秋も深まり、10月が終わろうとしていた。受験本番まであと3カ月余りを切っていた。
子供たちの目つきも変わり、いよいよ正念場と言う雰囲気になってきている。
桜花ゼミナールでは、基礎徹底や志望校別の特訓、志望校別過去問演習が行われていた。
11月中旬に行われる統合判テストは、全教科&全単元から出題される総まとめのテストであり、志望校選択の重要な材料となる模試である。
統合判テストの結果をみていた講師に向かって黒木は言った。
勝負はまだこれからです。
基礎固めをコツコツやってきた生徒ほど、最後の追い込みで急激な伸びを見せます。
我々の仕事は生徒たちのこれまでの努力を信じて、最後まであきらめさせないことです。
講師たちは、うんうんとうなずいた。
そして、毎年桜花ゼミナールでは、受験の直前期になると発行している必勝マニュアルがあるが、吉祥寺校の分は黒木が全面改定していた。
マニュアルのページ数は例年の3倍もあり、毎日の過ごし方や健康管理、親への注意事項などきめ細かいところまで配慮された内容であった。
そして、黒木はマニュアルに添付されている合格カレンダーを広げていった。
今回は、夢見る志望校ではなく現実的な学校名を記入し提出させてください。
そして、1月に入学試験を行う学校の受験、いわゆる前受受験を必ず進めてください。
1月になると模試はもう行われませんので。
2月の本番の試験に慣れさせるためにも、それぞれの生徒に合った前受校をアドバイスするよう講師たちに指示した。
上杉海斗は、講師から志望校を記入するように言われた合格カレンダーを持って母親に言った。
志望校のことなんだけど、ぼく2月1日は開成を受験したいんだ。
それを聞いた母親は、それは本気なの?というと、続けて言った。
最上位校を目指すのは勉強が向いている子がやることよ。
海斗は、運動神経がいいんだからスポーツが向いていると思うの。
人には向き不向きがあるのよ。
お母さんは、あなたには向いてないことで苦労させたくないのよ。
上杉海斗は、うつむいて聞いていたが顔をあげて言った。
ママはどうしてぼくたちの向いているとか向いていないとかを勝手に決めつけるの?
いつになったら自分でやりたいことを自分で決められるの?
ぼくは、桜花ゼミナールに通って、自分のための受験がしたいと思ったんだ。
だから、ここまで頑張って来れたんだ。
ぼくはただ、最初からできないって決めつけてほしくなかっただけなんだ。
そう言って、これまでずっと思ってきた心のうちを母親にぶちまけた。
そして、上杉家は、兄弟そろって2月1日に開成を受験することになった。
![](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51-hDGc-8IL._SY291_BO1,204,203,200_QL40_ML2_.jpg)
都内の私立中学入試は、2月1日からスタートする。
御三家など超難関校の受験日は、2月1日のみの一発勝負なのである。
また、都立・国立の中高一貫校の受験は、2月3日のみである。
その他、多くの私立中学校は、2月1日〜2月5日の午前/午後に受験日が設定されており、複数回受験することが可能になっている。
合格を確実にするためには、どのタイミングでどの学校受けるのか、パズルのように受験日を組み合わせる必要がある。
桜花ゼミナールでは、講師全員が集まり、入試に向けての検討会が実施された。
この検討会では、Ωクラス、Aクラス、Rクラスと生徒それぞれの志望校とテスト結果を突き合わせながら、志望校の適切性、入試までの進め方を確認していった。
佐倉が担当しているRクラスの今川理衣沙は、志望校すべてが合格率20%以下のE判定であった。
実際の偏差値と志望校にかなりの乖離がある。
そのため、黒木は佐倉に面談をこちらから申し込み、事情をうかがうように指示した。
今回の見どころ:今川理衣沙が成功体験によって自信をつけるシーン
Rクラスの今川理衣沙の第一志望校は、吉祥寺女子中学だった。
しかし、先日行われた模試の結果は、併願校も含めてすべてE判定であった
しかし、受験目前の今になって、志望校と偏差値に大きな乖離がある状態では、受験しても全部落ちてしまう可能性がある。
いわゆる、全落ち、受験失敗だけは、避けなければいけない。
彼女の母親は、これまでの面談でも志望校についてこんなことを言っていた。
人に言えないような学校では困るから、誰もが知っている有名な学校にいかせたい。
自分の子はまだ本気を出していないだけで、これから伸びるタイプなんです。
佐倉は、黒木の指示を受け、志望校について今川理衣沙の母親と改めて面談をした。
やはり、第一志望校と併願校に変更はなかった。
佐倉は、今の実力に合った安全校の設定を検討するよう母親に提案した。
すると、母親は初志貫徹で志望校の変更や併願校の追加はしないこと、むしろ吉祥寺女子の一本にしてもいいくらいだと言い出した。
佐倉は、強気な母親の発言にびっくりした。
そして、母親は、嬉しそうに娘が解いた吉祥寺女子の過去問の答案を出した。
答案は、高得点で合格点をマークしていた。
母親は、自分の目の前で時間を計ってやらせた結果だから間違いないと喜んでいた。
佐倉は、過去問演習で、今川理衣沙が吉祥寺女子中学の過去問が全然解けず苦労しているのをみていたので、おかしいと思った。
結局、その面談では志望校や併願校の変更はないまま終了した。
佐倉は、今川理衣沙の母親に見せられた過去問の答案を黒木に提出した。
黒木は答案をみて佐倉に言った。
お気づきかと思いますが、これは間違いなくカンニングですね。
見ればわかります。
まともに解いていれば、答案に試行錯誤の後が必ず書き込んであるはずです。
それに、偏差値45の生徒が偏差値50の学校に受かる事はあります。
しかし、偏差値55の生徒が偏差値60の学校に受かる事は非常に稀です。
なぜだと思いますか。
佐倉は、それは問題の質ですか?と言った。
黒木は、ご名答。と言い、続けた。
偏差値55までの学校の問題は基礎を試す問題が多い。
しかし、偏差値50台後半の学校になると応用問題の比重が大きくなる。
これがいわゆる「偏差値58の壁」です。
偏差値60台の学校となるともはや別次元です。
今川さんの実力では、偏差値60台の吉祥寺女子中学の問題は、計算問題も解けないでしょう。
おそらく、本屋かどこかで過去問の答えを暗記しているのかもしれません。
佐倉は、母親に伝える方がいいのでは、と黒木に言った。
それは、ご法度です。と黒木が答えた。
なぜなら、そんなことを伝えたら母親も本人も憤慨して塾を辞めたいと言うのが関の山です。
この時期の退塾は、絶対に回避しなくてはいけません。
母親にはこの不正を知らせずに、そして怒らせてはいけません。
そしてさらに、受験生本人に受験に向き合わせるようにしなくてはいけません。
佐倉は、どうすればいいかと黒木に聞いた。
黒木は、さあ?難問ですね。と言って佐倉を突き放して去っていった。
一部始終をみていた講師たちに励まされながら、佐倉は考えた。
やはり、過去問演習では、今川理衣沙が吉祥寺女子中学の過去問は全然解けていなかった。
![](https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51eReCiwOOL._SX347_BO1,204,203,200_.jpg)
講師室に戻ると、佐倉は同僚の講師の木村に今回の件について、この時期にカンニングしていることがショックでしたと打ち明けた。
すると、木村はこの時期のカンニングはあるあるですよ。と佐倉に言った。
カンニングする方にも理由があり、そこには、点数が悪くて親に叱られるのは辛いとか、単純に親にほめられたい、お母さんの喜ぶ顔が見たいといった動機があるのだという。
佐倉と木村は、悪いことだとわかっていながらもカンニングしなくてはならないほど追い詰められている今川理衣沙に何かできることはないかと考えた。
このまま全落ちしてしまうのはなんとか避けたい。
受験するのは本人で、落ちて傷つくのも本人である。
なんとか自信をつけさせてあげられないかな、一つでも合格させてあげたいよね。
そう言う木村に佐倉も同意見だった。
次の日、佐倉は、今川理衣沙の実力でも合格できる学校はないかと考えた。
講師の桂から、1月に受験できる学校や、吉祥寺女子中学の後でも受験できる学校の情報をもらいながら、今川理衣沙のレベルに合った学校を探した。
佐倉なりに、自信をなくした生徒には、成功体験が特効薬になるのではないかと考えた。
自分の力で合格できる学校があるということを実感させてあげたかった。
そこで、授業の過去問演習では、今川理衣沙に吉祥寺女子中学ではなく、彼女のレベルに合った泰知中学の過去問をやらせてみることにした。
吉祥寺女子中学の過去問は全然解けなかった今川理衣沙だったが、佐倉がやらせた泰知中学の過去問は実力で合格点を取ることができた。
今川理衣沙は、自分の実力で取れた点数に信じられないという表情をした。
佐倉は、今川さんのこれまでの実力ならこの学校はクリアってことだよ。と言った。
今川理衣沙は、佐倉の言葉に泣き出した。
次の日、今川理衣沙が再提出した志望校には、泰知中学の名前が書かれていた。
授業後に、佐倉が教室で机の位置を直していると黒木が教室に入ってきた。
今川理衣沙が、自分の学力に合った泰知中学を併願することについて触れた。
佐倉は、母親とは別に本人が受けたい学校のようです。と言った。
すると、黒木は言った。
あなたの今回のやり方は間違っていなかったのでしょう。
勉強するのも試験を受けるのも親じゃありません。
合格のためにまず必要なものは、本人の意思です。
そして、それは何も受験に限ったことではないと思います。
人生の岐路に立つ時、本人の意思なくして新たな一歩をあゆみ出すことはできません。
佐倉は、過去に自分が教員の時に、生徒のためにと思ってやったことがかえってよくない結果を招いてしまった過ちを思い出した。
そして、自分とは違って生徒の立場になって考えている黒木先生はすごいと言った。
すると黒木は、それは違います。私は何もわかっていません。
そういうと、子供たちに対する考えについて話し始めた。
かつて、ルトワックにいた私は、優秀な子供たちを1つでも高い偏差値の学校へ送り出すことが使命で子供たちの幸せだと信じていました。
しかし、ある年、私が無理に難関中学へ合格させた生徒がいます。
その子は、その後入学した学校の授業についていけず不登校となり、それをきっかけに彼の家族はバラバラになってしまいました。
私は、合格後のその子の人生を想像できていなかった。
子どもにとって良かれと思っていたことがその子の人生をつぶしてしまった。
それから、私は教壇に立つのが怖くなってしまいました。
しかし、それでも知りたいんです。
この仕事の本質とは、学びとは何なのか。
「スターフィッシュ」や桜花ゼミナールでそれを探しています。
佐倉は黙って、黒木の話を聞いた。
![](https://m.media-amazon.com/images/I/71qwMv9FY-L._AC_UL320_.jpg)
大晦日になった。
講師室では、正月特訓の準備が進められていた。
佐倉は、仕事を続ける黒木に冷蔵庫に天ぷらそばが入っていることを伝えた。
黒木は、PCを打ちながら、ご馳走様です。といった。
そして、帰ろうとする佐倉に、良いお年を。と声をかけた。
佐倉は笑顔で、はい。と言って帰った。
黒木は、徹夜で仕事し桜花ゼミナールの講師室で新年を迎えた。
ドラマ「二月の勝者-絶対合格の教室-」は日本テレビで放送されているドラマです。
次回は、とうとう最終回です!みんな合格してほしい〜
見逃しても大丈夫です。今なら「Hulu」でみることができますよ!
最終話:桜花ゼミナール吉祥寺校の快進撃の回 (2021年12月18日放送)
![](https://www.stacky.jp/wp-content/uploads/2021/12/drama_2gatu_10-1024x410.png)
2月1日の本番まで30日を切っていた。
しかし、その前に、多くの生徒にとって予行演習となる前受受験が1月にある。
黒木は、前受受験だからと生徒の気がゆるむことがないよう講師たちに注意した。
そして、講師たちに向かっていった。
どんな舞台でも全力を出し切ることができるもののみが二月の勝者となれます。
世間がお正月ムードで気が緩んでいるこの時期は特に引き締めるよう伝えた。
佐倉は、気が緩んだ生徒たちに向かって自分なりの方法でクラスを引き締めた。
入試に向けて各クラスの授業は、緊張度が徐々に高まっていた。
講師室では、講師たちが子供たちの受験番号をシステムに記録していた。
合否を正確に把握すること、本部が実績を即座に把握するためである。
塾生がどこの学校を受験するかを知る事は講師としては至極当然のことなのである。
そして、最初の受験1月6日に始まった。
佐倉たちは、受験する桜花ゼミナールの生徒たちに激励を送り受験に向けてのエールを送るため受験校の入り口で待機し、続々とやってくる桜花ゼミナールの生徒たちを見送った。
受験生の中には、桜花をやめて、上の階の個別指導塾へ行った石田王羅もいた。
佐倉と一緒に応援にきていた橘は、受験にきた石田王羅を激励し見送った。
そして、成長した石田王羅をみて涙ぐんでいた。
![](https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51QCccaXlIL._SX339_BO1,204,203,200_.jpg)
黒木は、島津順が前受として受験することになった海王中学の応援に1人できていた。
海王中学は、東海エリアの私立難関トップの学校である。
優秀な生徒は、合格実績が欲しいために地方の難関校を受けるといった、タイトルホルダー狙いで受験することもあるが、島津順の場合は違った。
海王中学は、愛知県の中高一貫校で全寮制で特別給付制枠という奨学金制度がある。
そして、この特別給付制枠を獲得するための偏差値は70だった。
黒木は、島津順の実力を試すのには良いとして急きょ受験を進めたのだった。
受験会場についた島津順は、講師による応援などは期待していなかった。
しかし、黒木が1人で立っているのを見ると嬉しくなって駆け寄った。
島津順は、自分の震える手を黒木に出しながら言った。
いよいよ本当の力試しができるのかと思うとゾクゾクして震えてるんだ。
黒木は、無言で島津順の手を握り、うなずいた。
島津順も大きくうなずき受験会場へ入っていった。
黒木は、島津順の状況をみてこれはいけるんじゃないかと思った。
そして後日、島津順は、見事に海王中学の合格を勝ち取った。
桜花ゼミナールで初めての合格者となった。
そして、この島津順の合格を皮切りに桜花ゼミナール吉祥寺校は、次々と一月受験の合格者を輩出していった。
しかし、二月の本番に向けて、油断や気の緩みがないよう、さらに気を引き締めていった。
明日、2月1日本番を控えた講師室は、受験対策本部となった。
黒木は、全員の受験が完了するまでは、受験を続けている生徒への配慮のため、報告やお祝いには訪れないよう親や生徒に伝えるよう強く言った。
講師たちも明日からは手分けして受験会場へ応援に行くことになっていた。
黒木は、受験会場へ応援にいく講師たちに向かって言った。
当日、生徒たちはみんな不安になっています。
しかし、不安になるのは頑張ってきた証拠だと激励してあげてください。
受験会場にいる、あなたたち講師の存在は安心と勇気と自信になるはずです。
講師たちは、大きな声で、はいと言った。
佐倉は、帰ろうとすると自転車の鍵を机に忘れてきたのを思い出し、取りに戻った。
講師室の自席机から鍵をとり、いざ帰ろうとすると、教室に電気がついていた。
近寄ると、黒木が1人教室で頭を抱えて震えていた。
佐倉は、おそるおそる、大丈夫ですか。と声をかけた。
黒木は、声をかけられてハッとなったが、しばらくして佐倉に本心を打ち明けた。
もう何年も受験生を送り出していますが、毎年受験日の前日は心が打ちひしがれ、震えが止まらなくなります。
自分が子供たちにやってきたことや、言ってきたことが 本当に正しかったのだろうかと子供たちの一人ひとりの表情が浮かんでくるのです。
そういう不安げな黒木に向かって、佐倉は言った。
黒木先生、不安になるのは頑張ってきた証拠だっておっしゃってたじゃないですか。
そういいながらも、佐倉は、自分は黒木のように震えるほど真剣に子供たち一人一人と向き合っていたのだろうかと自問自答していた。
この冬、桜花ゼミナール吉祥寺校は、過去最多の合格実績を叩き出した。
受験シーズンも終わり、桜花ゼミナール吉祥寺校は、忙しい新年度を迎えた。
そこには、多くの入塾申し込みが殺到し、講師たちは準備におわれていた。
しかし、そこには、佐倉の姿はなかった。
佐倉は、中学校の教師に戻る決意をした。
桜花ゼミナールで1年間、中学受験を通じて子供たちや講師たちと出会い、あらためてもう一度自分自身とその夢に向き合うことにしたのだった。
中でも、黒木から学んだことは多く、大きな気づきを与えてくれたのだった。
佐倉は、新たに赴任した中学校の教室の扉の前に立っていた。
そして、大きく深呼吸して教室の扉を開け、元気よく挨拶して入って行った。
![](https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51eReCiwOOL._SX347_BO1,204,203,200_.jpg)
今回の見どころ:生徒たちの合格発表シーン
とうとう、受験本番2月1日がやってきた。
講師たちは、応援にそれぞれ受験校へ出向いた。
- 桜花ゼミナールの女子でトップの前田花恋は、初志貫徹で見事桜蔭に合格した。
- 二葉女子学院を目指していた直江樹里と柴田まるみもそろって合格した。
- 鉄道好きの加藤匠も、偏差値40台から躍進し、偏差値60の海堂中学校に合格した。
- 6年から入塾したサッカー少年の三浦雄星は、サッカー強豪校の園学院中学校に合格した。
- スマホゲーム好きの武田勇人も武蔵境大学附属中学校に合格した。
- 今川理衣沙も、本人が志望していた泰知中学校に合格した。
- 天真爛漫な石田王羅も小学大附属中学校に合格した。
多くの生徒が合格を獲得し、桜花ゼミナール吉祥寺校の快進撃は続いた。
そして、開成中学を受験した上杉海斗と島津順の合格発表の日になった。
講師たちは息を呑んで発表を待っていた。
時間になり、開成中学の合格者一覧が表示された黒木のPCを全員でのぞいた。
残念ながら上杉海斗の受験番号はなかった。
講師たちはがっかりしたが、気を取り直して、島津順の受験番号を探した。
島津順は、見事に合格していた。
講師たちが一斉に喜び叫ぶ中、黒木は席を外して自分の書斎に行った。
そして、書斎で両手でガッツポーズをして「よっしゃああー!」と叫んだ。
上杉海斗は、開成には届かなかったものの、第二志望校の東央中学に合格した。
島津順は、都立の中高一貫校、大石山中学校にも合格した。
見事、桜花ゼミナールの塾生の受験が終わり、お疲れ様会が開かれた。
上杉海斗は、島津順に会うと、開成合格おめでとうと言った。
そして、島津順がいたから開成に挑戦できたこと、今は満足していると言った。
島津順は、そっか。と言ってほほえんだ。
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島津順は、黒木を空き教室に呼び出して言った。
先生のおかげで開成受験をあきらめず受験できて合格できた。
本当にそう思ってる。ありがとうございました。
それで・・・おれ開成には行かない。入学は辞退した。
都立大石山に行くことにする。
おれには私立はぜいたくだから。
黒木は少し驚いて言った。
お母様やお父様には言ったのですか?
島津順はうなずいた。ママには話したよ。わかってくれた。
開成の合格は、おれが決めたおれの目標だ。それが叶えられたんだ。
パパを見返したいという気持ちも少しはあったけど、パパもこれできっとおれのことを認めてくれると思う。
おれ、いい受験できたと思う。超満足してる。
だから、この開成の合格は黒木先生たちへのぼくからのプレゼントだと思ってよ。
開成に海王、それに大石山。今年の桜花の合格実績としては十分っしょ。
黒木は、島津順をみて言った。
島津さん。君は最高の男です。
おめでとう。
そう言って手を差し出した。
島津順は、笑顔でやったね。と言い黒木が差し出した手を握った。
灰谷は、「スターフィッシュ」に向かう黒木に声をかけた。
「スターフィッシュ」にも中学受験生がいることを知っていた灰谷は気になっていた。
黒木から、彼らも都立の中学校に無事に合格したことを聞いた。
すると、灰谷は、私も「スターフィッシュ」へ連れていって欲しいと言った。
そして、手に持っていた合格祝いのケーキを黒木に見せた。
黒木は、黙ってうなずいた。
「スターフィッシュ」では、合格祝いのパーティが開かれていた。
黒木や灰谷も、合格した生徒を祝福しパーティに参加した。
桜花ゼミナールもスターフィッシュも合格を喜ぶ子どもたちに違いはなかった。
帰り道で灰谷は、「スターフィッシュ」について黒木に語った。
前に黒木先生が、「星を拾って投げているだけ」と言っていましたね。
あれは、アメリカの自然科学者ローレンアイズリーの「星投げ人」のことだったんですね。
波打ちぎわに打ち上げられて干からびるのを待つヒトデを、自分の手の届く範囲だけでも拾って、海へなげて返したい。そういうことですね。
「スターフィッシュ」は、日本語で「ヒトデ」という意味ですしね。
ここに辿り着くまでにずいぶんと時間がかかってしまいましたよ。
そういう灰谷の説明に、黒木は少し微笑みながら返した。
あの時は、そういう言い方しかできませんでした。
灰谷は、スターフィッシュの子どもたちについて自分の考えを話した。
あの子たちは学ぶことに純粋な好奇心を持っていますね。
学ぶことは楽しいことだとあの子たちは確認させてくれます。
あの子たちは黒木先生に学びの喜びを教えてくれるのではないでしょうか。
それが、今の私がたどり着いた答えです。
黒木は歩みを止めて、少し間を置いて言った。
そうですね。あなたのいう通りだと思います。
受験で合格することが最終目的ではない。
受験を通して学ぶことの喜びや己に勝つことの尊さを知ったものが未来を切り開いていく本当の勝者だと思います。
私自身が子供たちから学んだことです。黒木は、嬉しそうに言った。
未来は子供たちが作る。ですね。と灰谷はいった。
私はルトワックでやってきたことも、かつて黒木先生とルトワックでやってきたことも間違っていたとは思っていません。
私なりに、ルトワックで子供たちの未来を見つめていこうと思っています。
私がルトワックをやめることができたのは、そういうあなたがいてくれたからだと思います。
そう黒木がいうと、2人はお互い認め合うように軽くうなずきあった。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、ドラマ「二月の勝者」をご紹介しました。
このコンテンツは、端々に中学受験の実際を感じ取ることができる良質の教材だと思いました。
興味がある方はぜひ見てみてください。
- 第1話:テストの点数だけではなく回答のプロセスにも目を向けよう!
- 第2話:自分の強みと弱みを見極めよう!
- 第3話:子供が伸びる学習環境は大人がしっかり見極めて整えよう!
- 第4話:焦らずに基礎問題をしっかり解いて確実に得点しよう!
- 第5話:目指す学校に焦点を当てて必要な勉強をしよう!
- 第6話:やってないところ、できないところは全て伸びしろ!
- 第7話:自分に合った学び方を見つけよう!
- 第8話:受験したい学校があるならあきらめずにチャレンジしよう!
- 第9話:ここまでの頑張りが報われるように受験日をよく検討しよう!
- 最終話:食事と睡眠をしっかりとってベストコンディションで本番を迎えよう!
まんがも結末を迎えていない中、ドラマがどんな最終回を迎えるのか今から目が離せません!